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2017年2月

2017年2月11日 (土)

ガスとアルコールの重量比較

燃料としてガスとアルコールのどっちが有利なのか、
軽量化の定番ネタとしてよく話題にあがります。
自分も以前から気になっていたので、
せっかくなので自分なりの方法で検証してみました。

400mlの湯沸かしを33回行うための必要な燃料を最初に用意し、
湯沸かしして行くと重量がどの様に変化するかグラフにしてみました。

250_2

グラフの見方です。
点線がガスで実線がアルコールです。
一番左端が装備重量になります。
湯沸かし回数が増える毎に燃料が減り重量が軽くなります。
一番右端が燃料がなくなって五徳等を含む本体と燃料容器を合わせたベース重量のみの状態です。
燃費が悪ければ悪いほどグラフの下がり方が急になります。

ガスで一番性能が良いBRS-3000Tと、アルコールで一番性能が良いグルーブストーブを比較してみます。

装備重量
BRS-3000T(411g)<グルーブストーブ(446g) BRS-3000Tが35g軽いです。

燃料消費量
BRS-3000T(7g)<グルーブストーブ(12g) BRS-3000Tが5g軽いです。

ベース重量
BRS-3000T(180g)>グルーブストーブ(50g) BRS-3000Tが130g重いです。

現地に向かう途中はBRS-3000Tが軽くグルーブストーブが重いです。
湯沸かし7回目で重量は同じ(362g)となりそれ以上だとBRS-3000Tが重くグルーブストーブが軽いです。
(アルコールの重量あたりの熱量の低さから使えば使うほどアルコールの重量が大幅に減ることが分かります)
燃料切れの状態だとベース重量の差が大きく出てBRS-3000Tが重くグルーブストーブが軽いです。
(アルコールストーブのベース重量の軽さが良く分かります)

軽量化の観点でわかり易い表現をすると、
現地に向かうときはガスが有利でアルコールが不利、
現地で移動している最中に逆転し使えば使うほどガスが不利でアルコールが有利、
帰宅するときはガスが不利でアルコールが有利です。

従って総合的にはガスが不利でアルコールが有利となります。
ガスがアルコールに軽量化で勝つためには、
以下の非現実的な手段を使うしかありません。
・現地に着いたら荷物持って移動しない
・帰宅するときに火器及び燃料容器を現地で捨てる

尚、グラフでのアルコール500ml分の容器は44gありますが、
容器を軽いクリスタルガイザーのペットボトル12gに替えると、
その差32g軽くなりますので、
ガスの装備重量の優位性35gをほぼ相殺します。

個別の火器に着目した考察は以下となります。

M-7900及び同等品をお使いの方へ
とっくにお気づきかと思います。
重量でのメリットは何もありません。
軽量化を目指すのであれば、
早く他の火器に乗り換えて下さい。

BRS-3及び同等品をお使いの方へ
アルストだとタトンカよりは有利ですが、
ちょ~簡単トルネードストーブと同等レベルです。
他のアルストに対しては重量での優位性はありません。
火器の乗り換えの検討をお勧めします。

BRS-3000Tをお使いの方へ
流石の世界最軽量です。
アルストのエバニューチタンと同等レベルです。
ですがさらなる軽量化を目指すなら、
グルーブストーブをご検討下さい。

ちょ~簡単トルネードストーブ及び同等品をお使いの方へ
アルコールストーブにおいてトルネード方式(内炎式)は燃費が悪いです。
燃料を多めに持たないといけないため、
ウルトラライトの装備ではあり得ません。
現実を素直に受け入れましょう。

タトンカをお使いの方へ
軽くないし燃費も良くない普通のアルストです。
ガスに乗り換えるか他のアルストをご検討下さい。
トランギアに置いて行かれているのが意外かと思います。
ひょっとしてVW五徳SPを使うとイケるかも知れません。

エバニューチタンをお使いの方へ
ご存知の通り五徳を使わない直載せがお勧めです。
ガスの世界最軽量のBRS-3000Tと同等レベルです。
チタンつながりなのが偶然にしては良くできています。
ですがトランギアと大して差がないのがびっくりです。

トランギアをお使いの方へ
非常に古い設計で重いイメージですが、
エバニューチタンにもBRS-3000Tにも肉薄しています。
ただVW五徳SPを使うのが必須条件です。
VW五徳SPはどこにも売っていないので頑張って自作して下さい。

グルーブストーブをお使いの方へ
ベース重量ぶっちぎりの50g切りです。
文句なく重量の優位性で最強です。
貴方の選択は間違っていません。
これからも安心してお使い下さい。

検証の条件は以下の通りです。
・水400mlを完全沸騰させるために必要な燃料をgで求める。
・燃料消費量は計算ではなく室内無風状態で実際に測定を実施。
・ステンレスシングルマグ(ダイソー500マグ)+ステンレス蓋を使用。
・ガスは250缶のキャプテンスタッグのCS-250を基本とする。
・アルコールは大洋製薬の燃料用アルコール500mlとその容器(売られている状態)を基本とする。
・ガスもアルコールも追加燃料なしでの最大の沸騰回数が33回なので、燃費良くないのは沸騰回数33回になる様に燃料を追加する。
・ガスの追加はイワタニのIP-110とし、燃料消費率はCS-250と同じとする。
・アルコールの追加分は量が中途半端なので丁度収まるペットボトルを燃料容器とする。

他にも細かい条件及び測定データがありますが長くなるので割愛します。

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