アルコールストーブの五徳の設計
今回は予定を変更して五徳の設計ネタです。
アルコールストーブの五徳の設計は、
みなさん悩まれるポイントだと思います。
一体全体どのくらいの高さが最適なのか、
もっと低いのが良いのか高いのが良いのか、
あ~でもない、こ~でもないと、
かなりの試行錯誤を、
繰り返されておられるのではないでしょうか。
実は「Groove Stove Designer」はグルーブストーブの設計だけでなく、
アルコールストーブの五徳の設計にも使えます。
Hstoveに五徳の高さを入力し、
Hcontainerにストーブ本体の高さを入力して下さい。
θbloomとHuppeの判定値はグルーブストーブ用なので、
そのままでは適用できませんが、
目安としては十分使用可能です。
お使いのアルコールストーブと五徳の組み合わせによる、
判定値を実験を繰り返すことで求めて、
オリジナルの設計値を導き出すことも可能です。
五徳の設計に是非ご活用下さい。
せっかくなのでもう少し濃いネタをご提供します。
五徳の高さが最適かどうか実は目視で簡単に確認できます。
立ち上がる炎の角度で判定できるのです。
ここで言う最適とは、
燃焼効率の最大=無駄な燃焼最小=燃費最適です。
沸騰時間の最短ではありません。
炎がいったん中心に向かってから大きく外側に広がる場合
(向かって右側の炎の形が「<」になるので、<炎と命名しました)
→五徳が高過ぎ、またはポットが小さ過ぎです。
五徳を低くするか、使用するポットを大きくして下さい。
炎がいったん下に下がってから大きく外側に広がる場合
(向かって右側の炎の形が「V」になるので、V炎と命名しました)
→五徳が低過ぎ、またはポットが大き過ぎです。
五徳を高くするか、使用するポットを小さくして下さい。
炎が外側に斜めに真っ直ぐ広がる場合、
(向かって右側の炎の形が「/」になるので、/炎と命名しました)
→五徳の高さポットの大きさのどちらも最適な状態です。
「Groove Stove Designer」で判断するまでもなく、
実際に使ってみれば簡単に目で五徳の高さを確認できます。
外燃帰還に伴う帰還熱による火力アップがあるので、
着火直後は「<炎」で、沸騰付近で「/炎」になる様に、
設計するのが一番お勧めです。
最適な五徳の高さは、
アルコールストーブとポットの組み合わせで一意に決まります。
つまりポットが違えば最適な五徳の高さも当然変わります。
アルコールストーブは一般的に火力調整ができないので、
五徳の高さを固定すると大きいポットから小さいポットまで、
対応できる万能選手にはなり得ません。
アルコールストーブで五徳の高さを語る時は、
ポットの存在を忘れないで下さい。
ちなみにアルコールストーブで本体直径と炎の直径が同じ場合は、
「V炎」は大炎上のサインです。
危険なので取扱いにはくれぐれもご注意下さい。
トランギアなどの本体直径よりも炎の直径が小さい場合は、
「V炎」による大炎上が起こりにくい構造になっています。
「V炎」が本体直径まで広がらなければ大丈夫です。
トランギアに触れましたのでついでのネタです。
設計者に何かしらの意図があるのかどうか不明ですが、
市販アルコールストーブのトランギアやエバニューの純正五徳は、
大き目のポットには全く向いていません。
大き目のポットで使うにはもう少し五徳を高くする必要があります。
この際五徳の高さについて確認されると良いでしょう。
ここで紹介した内容は一般的な、
トップバーナータイプのアルコールストーブの五徳の設計についてです。
トルネードタイプのアルコールストーブの場合は、
「Ultra Easy Tornado Stove Desinger」の、
Rpot = Rcan * 2
Hgap = Rcan * 0.4
で設計する方が簡単です。
ちょ~簡単トルネードストーブでなくても、
トルネードタイプはこの計算式でイケルと思います。
最近のコメント