グルーブ構造の秘密
ちょ~簡単トルネードストーブやグルーブストーブは、
誰が作っても多少作り方を変えても、
等しく同じ燃焼性能を再現することができます。
以前これについて「性能の再現性が安定」と定義しましたが、
その理由を今回明らかにしたいと思います。
<グルーブの隙間の大きさは無関係>
グルーブの隙間が極小になると毛細管現象に優れ、
燃焼性能が向上すると大きな勘違いをされている方がおられる様ですが、
けっしてそんな事はありません。それは完全な誤りです。
グルーブの隙間の大きさによって性能が変わるのであれば、
性能の再現性が安定であることと矛盾してしまいます。
グルーブの隙間の大きさが燃焼性能に影響を与えないことを、
性能の再現性が安定であること自体が如実に証明しています。
従いまして隙間が極小であるグルーブに、
わざわざ別の名前をつける行為は全く意味がありません。
<活性化アルコール主体論>
結露したガラスに湾曲させた下敷きをくっつけると、
下敷きの湾曲度合をどんなに変化させても、
ガラスと下敷きの間に結露した水を保持する場所が常に存在します。
グルーブ構造においてもこれと同様に、
グルーブの隙間の大きさがどうなろうと、
アルコールの通過にちょうど良い場所が常に存在し、
回収した熱によって活性化したアルコールが、
勝手に好きな場所を見つけて突っ走ります。
これを「活性化アルコール主体論」と定義します。
決してグルーブがアルコールを吸い上げる訳ではありません。
グルーブは活性化したアルコールに通り道を提供しているに過ぎません。
構造が主体であるとの誤った先入観があるから、
真実が見えなくなってしまうと思われます。
<設計パラメータは3個>
グルーブストーブの場合は、
グルーブの突出し量とストーブとポットの大きさで、
燃焼性能が決まってしまいます。
ちょ~簡単トルネードストーブの場合も、
ストーブとポットの距離とストーブとポットの大きさで、
燃焼性能が決まってしまいます。
結局、どちらも設計パラメータは3個しかありません。
性能の再現性が安定であるアルコールストーブの、
設計パラメータは3個しかないと思われます。
これから先、性能の再現性が安定なアルコールストーブが、
新たに出現したときの設計パラメータが3個かどうかが非常に楽しみです。
<アルコールの総通過量一定効果>
設計パラメータの3個を決定した場合、
ストーブ本体上部で発生する熱はほぼ一定になります。
グルーブを増やした場合は、
グルーブ1個あたりのアルコールの通過量が減り、
グルーブを減らした場合は、
グルーブ1個あたりのアルコールの通過量が増え、
グルーブの増減があっても、
アルコールの総通過量は一定で変わりません。
これを「アルコールの総通過量一定効果」と定義します。
グルーブ個数を変えてグルーブ1個あたりのアルコール通過量が変化しても、
活性化したアルコールの通過にちょうど良い場所が、
常に存在することを意味しています。
<グルーブ過剰性能論>
グルーブストーブの上部を手に持った状態でアルコールを注入すると、
注入したアルコールが指に滲んで来て、
あれっ冷たい!入れすぎた?こぼした?
と思ったことはありませんか?
これは指の熱によってアルコールが活性化し、
グルーブを経由して上昇し指まで到達するからです。
グルーブ構造は指の熱程度のわずかな熱でも、
アルコールを活性化し上昇させることができる位、
極めて効率の良い構造になっています。
従ってグルーブの隙間が極小でなくても、
必要以上にアルコールは上昇できるのです。
これを「グルーブ過剰性能論」と定義します。
実際には燃焼し切れない程のアルコールが、
ストーブ上部まで到達しています。
<余剰アルコール自主回収機能>
ストーブ本体の上部で燃焼することのできる、
アルコール量は設計パラメータの3個によって決まってしまいます。
それを超えてアルコールの供給が行われると、
異常燃焼つまり暴走する訳ですが、
グルーブ構造を持つアルコールストーブは、
グルーブ構造によって過剰にアルコールが供給されているにも関わらず、
使い方を間違えない限り安定して燃焼します。
これは上部で燃焼できずに余ったアルコールが外部に漏れ出すことなく、
勝手にグルーブを通ってストーブ本体に戻って行くからです。
これを「余剰アルコール自主回収機能」と定義します。
カーボンフェルト等を使った場合も、
余ったアルコールは自主的に回収されています。
今回も文字のみでここまで引っ張ってしまいました。
いつもながら大変申し訳ありません。
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