グルーブストーブ炎上の解説
グルーブストーブは簡単で高性能ですが、
使い方を誤ると簡単に炎上してしまう特徴があります。
今回は炎上の種類と発生原理と対策について解説します。
これまでに何度がコメント等で都度説明してきましたが、
一度記事としてまとめるべきと判断しこの記事を書いております。
グルーブストーブの炎上には大きく以下の2種類があります。
・過剰な熱帰還による炎上
・熱ピストン・熱ポンプ現象による炎上
まずは過剰な熱帰還による炎上についてです。
<原因>
燃料の入れ過ぎ
風防の密着させ過ぎ
ストーブ本体に対しクッカー・ポットが大き過ぎ
グルーブの突出しが少な過ぎ
<発生原理>
グルーブストーブは熱帰還を燃焼に積極的に取り入れることで、
効率良く燃焼サイクルを継続する構造となっています。
そのため必要以上の熱帰還によって燃焼サイクルが崩れ、
爆発的に燃焼つまり炎上してしまいます。
言い換えれば過剰な熱帰還によって、
爆発的な燃焼サイクルに移行しそこで安定してしまいます。
通常はグルーブを通過したアルコールが、
外気と触れた箇所で気化燃焼します。
ところが過剰な熱帰還が発生すると、
ストーブ本体のアルコールが外部の熱によって、
直接熱せられ沸騰し膨張または気化します。
膨張・気化したアルコールが激しく吹き出し炎上します。
グルーブストーブ大炎上をご参照願います。
クッカー・ポットの水が沸騰する直前等ある程度燃焼が、
進んでから発生するのが特徴です。
<対策>
燃料を少なめにする
(グルーブストーブのオリジナルでは燃料は最大で30mlです)
風防を密着させない
(実験ではクッカー・ポットと風防の間隔は最低で20mm必要でした)
ストーブ本体に対し適正なクッカー・ポットを選ぶ
(Groove Stove Designerで確認して下さい)
グルーブの突出しを増やす
(Groove Stove Designerで確認して下さい)
必要に応じて五徳を併用する
(五徳併用だと燃焼についての縛りがかなり緩やかになります)
次に熱ピストン・熱ポンプ現象による炎上についてです。
<原因>
工作精度が高すぎる
<発生原理>
グルーブストーブとクッカー・ポットの底が、
完全に密着してしまうと空気の逃げ道がなくなります。
着火直後のストーブ内の空気が、
燃焼によって温められ膨張する時に逃げ道がないと、
そのまま膨張しストーブの内部でアルコールを下に向かって押します。
押されたアルコールがグルーブを通って、
溢れだし引火し炎上します。
ちょうど注射器でアルコールを押し出すのと同じ理屈です。
これは着火直後に発生するのが特徴です。
<対策>
工作精度を低下させる
(グルーブストーブの加工はハサミ推奨です)
圧力解放穴を開ける
(内壁の燃料より上の位置に穴を開けます
ドリルでも押しピンでも構いません
一番上の縁に切欠きでもOKです)
断面積の大きいグルーブ方式に変更する
(あげ さんのGroove stove variant "Cell ☆"の逆グルーブ方式や
トゥインクルストーブ の両グルーブ方式だと
アルコールを押し出すことなく空気が素直に抜けます)
グルーブストーブを直載せで使用する場合、
使用するクッカー・ポットに合わせて、
専用設計することをお勧めします。
グルーブストーブは設計も工作も簡単なので、
そんなに大した労力ではありません。
それでは、ご安全にお楽しみください。
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りるびわ~くす さん、コメント&解説ありがとうございます。
なる程、「圧力解放穴」が有効な理由が良く理解できました。さっそく試してみたいと思います。
ありがとうございました。
投稿: た(^○^) | 2013年10月14日 (月) 15時20分
図で解説しようと思ったのですが、
自分の表現力では無理でした。
文字だけの説明で申し訳ありません。
追加情報です。
「過剰な熱帰還による炎上」の場合は予兆・前兆があります。
なんかヤバそうな雰囲気が炎上の直前に起こります。
ヤバイと思ったらとりあえずクッカー・ポットを持ち上げれば回避可能です。
「熱ピストン・熱ポンプ現象による炎上」の場合は予兆・前兆が全くありません。
何の前触れもなくいきなりスーっとアルコールが溢れて炎上します。
本当にいきなり起こりますので何の対策も採れません。
実際に発生すると危険なのはこっちです。
投稿: りるびわ~くす | 2013年10月15日 (火) 01時20分
高性能の意味を取り違えていませんか?
市販のストーブはこういう現象は起きません。
なにをもってこの欠陥を持つストーブに高性能
という言葉を使っているのですか?
高性能という言葉のニュアンスでストーブを使う上での
本来の危険性を麻痺させてしまう可能性があります。
マイナスを助長させる馬鹿げた
表現は慎むべきです。
投稿: マナスル | 2015年11月12日 (木) 20時12分
マナスルさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
高性能の意味を取り違えているかどうか、
1個の除外条件のみを提示されているため、
情報が少なすぎて残念ながら判断できません。
高性能の適合条件と除外条件を全てご提示下さい。
それとマナスルさんが高性能と認定された、
アルコールストーブを理由を添えてご提示下さい。
面白いネタで折角の機会ですので、
有意義な内容にしたいと思います。
ご協力よろしくお願いいたします。
投稿: りるびわ~くす | 2015年11月13日 (金) 00時18分
マナスルさんへ
2週間経過致しました。
未だお返事を頂けておりません。
頂いたコメントも繰り返し読み直しましたが、
取り違えの認識要求なのか、
欠陥の認識要求なのか、
高性能の定義の提示要求なのか、
可能性の認識要求なのか、
慎みの要求なのか、
マナスルさんが自分に何を求めておられるのか、
結局ところ判断できずにいます。
主語と述語および5W1Hを明確にもう少し分かり易く、
書き直して頂けないでしょうか?
それと以下の文章の意味が全く理解できません。
「本来の危険性を麻痺させてしまう可能性」
「マイナスを助長させる馬鹿げた表現」
これも主観的ではなく具体的かつ客観的な、
平易な表現にして頂けないでしょうか?
いつ意見を頂いても構わないのですが、
このままの状態が続くとなると大変申し訳ありませんが、
マナスルさんのコメントは単なる言いがかりに過ぎないと、
結論せざるを得ない状況となっております。
投稿: りるびわ~くす | 2015年11月26日 (木) 21時43分