Groove Stoveの燃焼
Groove Stoveの燃焼の最大の特徴は熱の帰還方式にあります。
通常のアルコールストーブは自分で発生した炎で自分自身を暖め、アルコールを噴出するサイクルを持続する、自己完結型の熱帰還方式(内燃帰還と名づけました)となっています。
そのため本体を強烈に暖めないと本燃焼が始まらない構造となっています。
Groove Stoveはこの熱帰還が自分自身では行えず、外部媒体による他者完結型の熱帰還方式(外燃帰還と名づけました)となっています。
Groove機構により少ない熱量でアルコールを噴出するサイクルを持続しています。
Groove Stoveの燃焼は次の4段階に分かれています。
動画から切り出した画像をもとに解説します。
STEP1
着火モードです。
着火直後は単にオープンフレームとして燃焼します。このとき熱帰還は全く機能していません。
このモードは一瞬で終わります。
STEP2
最大火力モードです。
本体上部の炎塊により熱帰還が完成します。
炎の熱でアルコールの吸い上げが強烈に促進され非常に激しく燃焼します。
この状態では激しく沸騰したアルコールの飛沫が飛び散るので大変危険です。
低めのゴトクを併用すればこのモードで安全に使用することも可能です。
STEP3
最小火力モードです。
鍋を載せると最大火力から一気に最小火力になります。
このとき極小の本体上部のみで熱帰還が完成します。
STEP2で暖められた本体上部がわずかに蓄熱した状態を保ってなんとか燃焼を持続します。
まだ冷たい鍋からの熱帰還はほとんど期待できません。
STEP4
拡大火力モードです。
本体上部での熱帰還に加えて鍋からの熱帰還がプラスされます。
鍋が温まるにつれて鍋からの熱帰還がどんどん大きくなり、それに伴って炎がどんどん大きくなります。
こうした多様な燃焼状態を持っているのもGroove Stoveの特徴のひとつです。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
Zen stove のサイトに堂々と載っています!
素晴らしいなぁ
投稿: JSB | 2013年1月20日 (日) 02時01分
すごい、zenのBackpacking Stove Linksにリストアップされてますね。
congratulasions!
投稿: あげ | 2013年2月 9日 (土) 23時43分
JSBさん、こんばんは。
コメント気づくの遅れて、大変申し訳ありません。
半年くらい前にリンクして頂いた模様です。
でもその意味があんまり分かっていません。
投稿: りるびわ~くす | 2013年2月10日 (日) 21時18分
あげさん、こんばんは。
zenのリンク経由で迷い込んで来られる方が結構おられます。
何かコメント頂けると嬉しいのですが、
そのまま立ち去られる様で少し残念です。
投稿: りるびわ~くす | 2013年2月10日 (日) 21時23分
りるびわ~くすさん、初めまして。楽しくblogを拝見させていただいてます。
Groove Stoveからオープンジェット、ペニーストーブなどいろいろなalcohol stoveを作って楽しんでます。自作のalcohol stoveは星の数ほどあって、知らないものもまだまだあるのでしょうけれど、短い期間ですがwebで探して作ってみて、究極のストーブはGroove Stoveではと。
私の一番の気に入りは、Groove Stoveの派生型のアルミの190ml缶で作るステルスストーブ。すごいです、初心者でも簡単に性能の良いStoveを作れるなんて。すごいぜ、Groove Stove!!
ところで、りるびわ~くすさんのGroove stoveとtetkさんのCapillary Hoop Stoveのalcohol stoveとしてのsystem違いはなんでしょう?
カラパイアというHPの記事に「知っていて損はないライフハック。ビール缶から小型コンロを作る方法」( http://karapaia.livedoor.biz/archives/52147178.html )があり、このstoveのsystemもGroove Stoveと同じではと思っているのであすが。
ご教授いただければと、コメントさせていただきました。
投稿: ぽち | 2015年2月21日 (土) 12時18分
ぽちさん、こんばんは。
誰が作っても高性能のグルーブストーブを、
お使い頂きありがとうございます。
大変申し訳ありません。
ご質問の「system違い」の定義が理解できかねております。
アルコールストーブとしての構造の違いと解釈して、
自分の考えを書かせて頂きます。
CHSの基本構造はステルスストーブと同じです。
違いはフープがあるかどうかだけです。
ステルスストーブにフープを足すとCHSになります。
ご紹介頂いたカラパイアの記事のアルコールストーブも、
構造はステルスストーブと全く同じです。
こちらは内壁と外壁のサイズの違いでしかありません。
ぽちさんが、既に結論として思っておられることと、
大して違いはないんじゃないかと思っておりますが、
こんな回答でよろしいでしょうか?
「聞きたいのはこんなのじゃない」のでしたら、
ご指摘頂ければ対応させて頂きます。
投稿: りるびわ~くす | 2015年2月21日 (土) 22時15分
りるびわ~くすさん。早速のご回答いただきありがとうございます。
>ご質問の「system違い」の定義が理解できかねております。
>アルコールストーブとしての構造の違いと解釈して、
>自分の考えを書かせて頂きます。
言葉足らずの質問をしてしまい、すみませんでした。
「systemの違い」としていたのは、燃料のアルコールをストーブの燃焼部分に供給する方法についてお聞きしたかったのです。
しかし、りるびわ~くすさんの回答で、疑問が解けました。
>CHSの基本構造はステルスストーブと同じです。
>違いはフープがあるかどうかだけです。
>ステルスストーブにフープを足すとCHSになります。
りるびわ~くすさんの「Groove Stove(以下GrSと表記)」を製作を始めてから、tetkさんの「Capillary Hoop Stove(以下CHSと表記)」とは、どこが違うのだろうと思っていました。
違いが分からなかったのは、190ml缶でステルスストーブを作りはじめていたので、「GrS」の基本形状より「CHS」の形状に似ていたためにそれぞれのストーブの違いが判らなくなっていたようです。
「GrS」も「CHS」も燃料の供給方法は、毛細管現象を利用しているのですね。
「GrS」の燃焼は、毛細管現象でストーブ上部まで上がってきたアルコールが直接燃焼させている。
それに対して「CHS」は、毛細管現象で上がってきたアルコールをストーブ上部に形成している「フープ」に気化させジェット孔から燃焼させる。
燃焼の違いを強引に表示してみると
「GrS」 バスダブ→アルコールの供給(毛細管現象)→燃焼 =2工程
「CHS」 バスダブ→アルコールの供給(毛細管現象)→「フープ」内でのアルコールの気化→燃焼 = 3工程
「CHS」の燃焼は、「GrS」と比べると燃焼の工程に、1工程多くなると考えます。また厳密にいえば、アルコールの気化が「CHS」にはあるので、外部環境の影響(気温・降雪等々)を受ける可能性があるのではないでしょうか。
バスダブの燃焼は両者とも必要ですから、外部環境の影響はあるのですが…
(外気温が氷点下などになる世界には、ボクは挑戦する状況にありませんけれど)
「GrS」と「CHS」は、
・ストーブ自体の構造の違いはフープの有無
・燃料供給の方法は両者とも毛細管現象を採用
・燃焼では「GrS」ではアルコールを直接燃焼させており、「CHS」では一度気化させてからジェットからの燃焼をさせる
う~む、どちらもすごい。
りるびわ~くすさんの回答を頂いて、このように理解しました。
ありがとうございました。
また、楽しいblog記事を待ってます。
アルコールストーブは、やっぱり奥が深いですね。
投稿: ぽち | 2015年2月23日 (月) 21時03分
色々訂正させて頂きたいのですが、
ここだと書き切れないので、
そのうちブログで記事にさせて頂きます。
1点だけ。
アルコールの燃焼から見ると、
フープは邪魔な存在でしかありません。
フープにより各種性能が劣化すること。
フープ自体が不要であること。
フープに存在意義がないこと。
ちょ~簡単トルネードストーブが証明済です。
なのでCHSをすごいとおっしゃる真意が、
自分には全く理解できません。
投稿: りるびわ~くす | 2015年2月23日 (月) 23時09分